2010/01/29

10.1.29 白昼の幻列車

時間が作れたので真昼の西船橋駅へ(あぁ、また金曜だな)。
今年に入ってから京葉線のひみつ兵器・E331系が平日に試運転を繰り返していて、西船橋へ顔を出しているのだ。

E331系といえば、連接編成で3ドア・14両編成というわかりやすい特徴を持っている車両で、1編成のみの存在。
各路線で試運転を重ねたあと、2007(平成19)年3月18日のダイヤ改正から京葉線で営業運転を開始。休日の95運用が働き場となった。
ところが、18日(日)・21日(祝)・24日(土)の3日間の走行で早くも運用離脱。たった一週間のことだった。メーカーへ戻しての調整なども行われたが営業復帰は翌2008(平成20)年12月23日となった。
その後年が明けて5月に入り、ドアの不具合が改善されず再び離脱。京葉区のお決まりの場所で寝たきり状態が続いて現在に至っている。
京葉線投入から、稼働日数は50日に達していないとも言われている。


E331系(東京・2009.4.5・mb)

二度目の営業運転期間中にケイタイで撮ったもの。当時は今のカメラを使っておらず、列車撮影のためにでかけるようなこともなかった。フツーにおでかけ帰りの足として東京駅京葉ホームに降り立ったら遭遇したのだ。
二俣新町へ帰るのにこの快速列車に乗る必要はなかったのだが、そりゃぁ、乗りますわ。両先頭車にはクロスシートがあり、空いていたのでしっかり新浦安まで座ってきた。


E331系(新浦安・2009.4.5・mb)

新浦安で特急の通過待ち。東京方のほうがホーム端に余裕があることをこの時点では知らなかった。


現在の試運転は乗務員のハンドル訓練と言われているが、その試運転区間は新習志野—西船橋というヘンテコなもの。
来る3月のダイヤ改正では、昼間帯に西船橋—南船橋間のチョン行列車を新設し、毎時1本の武蔵野線〜南船橋間の列車を武蔵野線〜東京間に変更する(時刻例等はこちらの記事で)。
今回の二俣支線を通る試運転から、そのチョン行にE331系を起用するんでは? との、いろんな意味で「短絡」的な憶測も沸いている。

試運転は明るい時間帯にピストン運転するとのことで、行われているならば長くとも1時間くらいのうちには会えるだろうと考えた。
到着後東京発の府中本町行1本を見送ったところで、運良くE331系が現れた。



E331系(西船橋)

この向きは逆光なのだが、曇天であまり関係なかった。



E331系(西船橋)

10番線に入ったE331系。最後尾に車掌は乗っていなかった。
連接14両編成は通常のボギー20m車10両編成分の長さ。西船橋高架ホームは9・10番線が10両対応、11・12番線は8両対応となっており、このE331系は前者でしか客扱いを行えない。その有効長は西船橋—千葉みなと間開業から3年弱のあいだスカイブルーの103系が10連で入っていた名残だ。
なお当時の武蔵野線は6連オンリーで、京葉線への直通はなくすべて西船橋折り返しだった。



E331系(西船橋)

「14」の号車番号。両先頭車となる1・14号車は車長16.5m・定員115名。



E331系(西船橋)

1・7・8・14号車以外の10両は車長13.4m・定員107名。



E331系(西船橋)

黄色いシングルアームパンタ。


E331系(西船橋)

7・8号車間は連接になっておらず、入場時などにはこの位置で7車体ずつに2分割されることもある。2段窓が意外に多いのもE331系の特徴のひとつ。
7・8号車は両先頭車と同じ16.5mで、定員は編成中最大の133名。



E331系(西船橋)

1・14号車にあるクロスシートは可変タイプ。この試運転列車ではロングシート仕様に組まれ、外からは窓の先に背もたれ板が見える。イレギュラーで平日運用に入った場合はこのスタイルで運転する予定になっていたそう。可変の構造はよくわからないが、クロスシートのときは「ロング仕様のシート」と「クロス仕様のシートの片方(2人分)」を入れ替えるような感じだと思う。



E331系(西船橋)

こちらが1号車。このホームはどちら側も余裕が少ない。


E331系(西船橋)

日が出てきたので再度14号車側を撮ってから、11・12番線ホームへ移動。



E331系(西船橋)

堂々と取り付けられたフック。試験車両らしい姿だ。


EF65 1061(西船橋)

EF65 1061が単機で顔見せ。蘇我へ貨車を迎えに行った。



E331系(西船橋)

連接台車。車体と車体の間に中心がある。連接車は短い車体になるが、カーブ上での車体の角の出っ張り(オーバーハング)が少なくなるため、同世代のボギー車よりも車体幅を拡げている。ただし、連結面が多くなるため編成全体のデッドスペースは増える。

小田急はロマンスカーに曲線通過に有利なこの連接車体を多く採用した。しかし今年に入ってからその連接部分の金属に複数の傷が見つかり、このところは7000形・10000形が営業運転から一時離脱、他の車両が代走して普段観られない列車も登場している。10000形に関しては長野電鉄に移った車両も同様の理由から休んでいる。傷は経年劣化による可能性もあるそうだ。



E331系(西船橋)

前頭部はよく観ると結構ゴチャゴチャした造り。


E331系(西船橋)

カメラのパノラマ機能を使って撮ったもの。489系のときは首を回せないミニ三脚だったのでこの芸当は不可能だった。


南船橋行の列車が来たので乗り込み、南船橋へ移動。列車は京葉線上り側のホームに着いてしまい、階段を上り下りして下りホームへ。
すると、「列車が通過します」の自動放送。次列車表示は「回送」になっていて、先を見るとE331系が海老川を渡ってきていた。まさかすぐ後を追って来るとは思わなかった。



E331系(南船橋)

うむぅ、各駅停車で移動して新習志野の1番線(下り外側ホーム)東京方から狙うつもりだったのに…。

時間がなくなってきたので家路へ。…と言いつつ二俣新町で下り各駅停車を迎える。




201系・武蔵野線205系(西船橋—南船橋)

方向幕が故障して「京葉線」表示で走っている51+K1編成を撮りたかったが、来たのは52+K2だった。201系が思い通り来てくれただけマシか…。




E331系(西船橋—南船橋)

最後はドのつく地元で「沿線撮り」を敢行。…ところが思った場所に到達する前に列車が来てしまい、慌てて横と後ろを撮っておしまい。本当は前から撮りたかった。まぁどの道このくらいしか車体が見えないかな…。

さてさて、営業復帰はいつになるのか? それとも幻のまま、ひみつ兵器のままなのか? 今後に注目だ。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

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