2024年4月に入り、2016年夏までの古い記事の画像リンクが切れました。
対応は現アルバム経由での再貼付しかなく、徐々に進めています。
前後の記事が直ってないのに、ポツンと直っている記事もあります。
完全復旧までには相当の期間がかかる見込みです。

2011/05/29

11.5.26-27 房総ふたたび・4

鴨川を後にして、あとは地元・市川市へ向かって帰る。
往路は前回同様館山道→房総スカイライン→鴨川道路という速達ルート。復路は前回は上総亀山経由で久留里線を撮りながらだったので、今回はいすみ鉄道の拠点・大多喜を経由するルートを選んだ。


体隠して顔隠さず

鴨川から外房線とつかず離れずの国道128号(外房黒潮ライン)を進み、御宿を過ぎたところで内陸へ入る。
途中でい鉄と並行する国道465号に出た。これまたい鉄とつかず離れずだが、まったく列車と遭遇しないまま船子という交差点に到着。
右折すれば国道297号の大多喜街道で市原・千葉方面となるが、大多喜市街は直進。駅もそこにあるので、直進し観察に行った。

前回は久留里で右カーブを曲がった途端に突然街並みが現れてびっくりしたが、今回も交差点の先の橋を渡ったところで古い街並みが現れた。久留里より道がゆったりしている。

駅入口の交差点で曲がって坂を上ると、大多喜駅。まずは駅併設の車庫を覗いてみる。




いすみ200型(大多喜)

菜の花カラーが鮮やかないすみ200型は、富士重工のLE-CarIIのボギー車タイプを用いたレールバス。2軸車も含め、全国の第三セクター転換路線で兄弟が活躍したが、通常の鉄道車両より寿命が短いため、近年はどんどん数が減っている。
タイアップで各車両に『ムーミン』のキャラクターの装飾が施されている。206号はミー…だと思ってたが、リトルミイだそうだ。人形も見える。
本線を挟んだ反対側の留置線にも2両が寝ていた。




いすみ200型(大多喜)

202号はムーミンのガールフレンドのノンノン。何しろアニメの『ムーミン』は私が子どものころ再放送がよく流れていたので、キャラクターの名前は知っている。ただ、平成の作品の『楽しいムーミン一家』では、ノンノンはフローレンという名前に変わってるんだそうで、この車両もフローレンの名になっている。

いすみ200型はもともとはいすみ100型だったが、セミクロスシートからロングシートに改装したものから200に変わり、7両全車が200型になった。
昨年204号が廃車となって地元の養鶏業者が買い取った。万葉線の路面電車と北陸鉄道の電車も購入し、今月1日に農産物直売所『ポッポの丘』としてオープンした(ポッポと言ってもSLはいない)。数ヶ月前にテレビで観たことがあるが、万葉線の車両の方向幕が味気ない「回送」になっていたのが妙に記憶に残っている。い鉄でいうと上総中川駅が最寄りのようだ。




いすみ200型(大多喜)

202号の側面にはナゾの生物・ニョロニョロがいっぱい。床下の赤いニョロニョロは消火器。
ボディは戦前風のリベットが見えるが、これもバスの工法で造られているレールバスならでは。




キハ52(大多喜)

お目当てだったキハ52は202号の後ろですっぽりと検修庫に収まっていて、顔しか見えなかった。
公募で就任した現在のいすみ鉄道の社長は鉄道ファン。い鉄の活性化策の一つとしてこのキハ52をJR西日本から購入した。
この車両はキハ52 125で、昨年まで大糸線で現役で走っていた3両のうち、紺+黄土色の旧国鉄色を纏っていた車両。昨年の搬入後そのままの状態で撮影会が行われた。年が明け、国鉄一般色に塗り替えたあと再度撮影会が行われたが、このときはまだ大糸線用の正面方向幕がついたままの過渡的な状態だった。
のち足回りの塗装変更や保安装置の整備などが行われて3回目の撮影会が行われ、試運転を経て先のゴールデンウィークから土休日に観光急行列車として営業に就いている。

いすみ鉄道はJR木原線を引き継いだ第三セクター路線。私は小学生のときに小湊鐵道とセットで乗り通したことがあるが、乗った車両の形式はまったく憶えていない。
キハ52はそもそも木原線にはいなかった車両だが、木原線も走ったキハ20の2エンジン版であり、見た目の違和感はない。「急行 夷隅」も今回初めて登場した名称。ほかにもいろいろな愛称の板が用意されていて、たまにサプライズサービスもあるようだ。


デンタルサポートがサポート



大多喜駅と自販機(大多喜)

大多喜駅の駅舎は全体的には街並みに合わせた和風だが、こんな時計台だけの撮り方だと洋風に見えちゃうな。引きの画は撮り忘れた。
駅前の自販機は見てのとおり、いすみ200型をモチーフにしたもの。小湊鐵道にも同じような物が存在する。

この駅はおととしからネーミングライツにより「デンタルサポート大多喜」駅となったが、市販の時刻表やのりかえ案内ツールなどでは従来の「大多喜」とされている。
「デンタルサポート」というのは企業名。事業内容はそちらのWebサイトを見るのが早い。沿線企業かと思いきや、会社の所在地は海浜幕張のテクノガーデンだった。

この記事を書いている5月29日には、デンタルサポートが企画した大多喜の街のゴミ拾いとキハ52乗車を絡めたイベントが、雨の中無事行われた模様。大多喜駅でゴミ袋をもらう→街のゴミ拾いをする→そのゴミと乗車券を交換(先着60名)、その乗車券兼キハ52乗車証明書が歯ブラシという斬新なもの。列車は午前中に大多喜—大原館を1往復するダイヤだった。
このほか、時間をずらして、ゴミと交換で大多喜城の入場や無料歯科検診受診ができるプランもあったようだ。


カラス

列車の時刻を調べると、ちょっと待てば上下列車が当駅で交換することがわかった。駅の上総中野方にある南郭踏切で両列車を撮ることに決めた。


いすみ200型(大多喜)

踏切から眺めた大多喜駅は左右に線路が拡がっていく美しい配線。下り列車の上総中野行が先着した。左奥には工事用車両も見える。



いすみ200型(大多喜—小谷松

上り列車もガーダー橋を渡って登場。交換で制限がかかっているため、かなりの徐行。



いすみ200型(大多喜—小谷松

踏切の直前はカーブ。カラスが思いっきりフレームイン。



いすみ200型(大多喜—小谷松

あ、カラスが通過したらライト消えた!? 車両は201号。トップナンバーということで、キャラクターは主役のムーミン。
屋根はだいぶ煤で汚れている。カステラ、もしくは厚焼玉子的な風貌。汚れっぷりは名古屋市営地下鉄東山線の旧形車両のようだ。


いすみ200型・キハ52(大多喜)

い鉄営業車両全員集合の図。この日中の時間帯は全線を2両で回しているわけだ。




いすみ200型・キハ52(大多喜

下りは207号で、キャラクターはスニフ。スニフって客車みたいだが、国鉄ルールだと「スニフ」の称号は生まれないか。こちらもカステラ状態。


いすみ200型(大多喜—小谷松)

打ちっ放しコンクリートの建物は町立大多喜小学校。



いすみ200型(大多喜)

左手前にいるのはスナフキンなので205号。その後ろにつながってるのがムーミンパパ&ママの203号ということになる。

これを以て大多喜駅を後にした。


大手会館(大多喜)

駅から近いところにあるセブンイレブンに体の水分の出し入れのために寄った。その向かいにあったのがこの建物。
開いていなかったのだが、調べたら、中は鉄道ファン必見のようだ。平日は休みなんだと。

その後は船子交差点に戻って角のすき家で昼食を摂ったあと、国道297号で山を越えた。途中から小湊鐵道が左に現れ、ステキなカーブを曲がるキハ200の姿を正面から見られた。
この先まだまだ運転が続くため、撮影欲を抑えて館山道経由で帰宅した。

い鉄も小湊も撮りやすそうな場所がたくさんあったので、またいつか半島内部を訪れたい。

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)

2011/05/28

11.5.26-27 房総ふたたび・3

車に乗り、安房鴨川駅へ。途中の陸橋で、113系が留置線にいるのが見えた。


開かずの踏切

駅に到着。車を置いて、まずは留置中の113系を眺める。顔は踏切からしか撮れなそうだ。




113系・209系・E257系500番台(安房鴨川)

横渚踏切からの眺め。113系は幕を「千葉」に変え、通電状態。1番線のE257系500番台は緑で「普通」を表示している。



113系・209系・E257系500番台(安房鴨川)

撮っている間に一度踏切が閉まり、外房線下り列車(マリC608)が2番線に到着。踏切の手前ですでに「回送」を表示していたが、千葉発の普通列車。
3番線の内房線上り列車はこの列車と接続をとって出発した。その差たった1分というキラー接続。


113系(安房鴨川)

マリ106の非千葉方先頭車は0番台のクハ111-234。



E257系500番台(安房鴨川)

運用を調べたところ、この留置線に入ったE257は私が浦之脇踏切で見た10連の片割れのようだ。当駅で分割し、相方は第一新田踏切で撮った列車で、東京へ帰った。
こちらは夕方までここで寝て、やはりきのう私が撮った列車で往路とは別の相方と10連を組んで東京へ帰るのだ。
さらに、1番線にいる「普通」表示の編成は、第一広場踏切手前で後追いした編成。こちらは13:40発の列車で勝浦まで普通、その先は「わかしお」となり東京まで行く。

さて、ホームと並行した留置線にいる車両はどうやって入ったのか? と、きのうからうっすら気にしていたところ、「回送」表示で到着していたマリC608が想像通りの答えを教えてくれた。



209系(安房鴨川)

2番線から発車し一旦内房線テリトリーへ進んだマリC608。線路を単線に束ねた先には太一号踏切があるが、踏切にを跨いだたまま停止した。
乗務員が移動してスイッチバック、めでたく留置線の端っこの6番線に収まった。踏切はスイッチバックの間ずーっと閉まっていて、「開かずの踏切」だった。
ま、この内房線方でのスイッチバック入線そのものは当然だ。だって、留置線の外房線方は線路が終わっているから。

秩父鉄道の終点・三峰口駅も同じ形で留置線への転線を行っている。あの駅の場合は行き止まりの折り返し線に入るわけだが、その手前に踏切があるのだ。




209系・E257系500番台・113系(安房鴨川)

209系から降りてきた乗務員が今度は113系に向かった。…ということは、入れ替わりに113系が本線上に来そうだ。
ならば、きのう最後に訪れた犬走りに行かない手はない。ちょうど折り返しで停まる場所だ。


犬走りで猫歩く

太一号踏切脇を通り、犬走りに到着。なるほど、きのうは気にしてなかったが、4・6・8・10・11と5本の停止位置目標が並んでいる。8のマークの近くで113系が現れるのを待つ。
踏切が鳴き、ゆーっくりと113系登場。踏切で待たされている車や人はイライラしてるだろうな…。




113系(太海—安房鴨川)

残念ながらヘッドライトは点いていなかった。列車がまだ動いているところで、目の前を野良猫がノンキに線路を渡ったが、無事草むらに消えた。




113系(太海—安房鴨川)

束の間の一人撮影会。天気が良かったらなぁ。天気が良かったらなぁ…。



113系(太海—安房鴨川)

また最徐行で駅へ。踏切の遮断は意外にも2分弱だった。

ちょっと待てば内房線下りが反対側から来るので、まだ犬走りにとどまる。


(太海—安房鴨川)

柵がないこの場所。ところどころ線路脇の溝をまたぐ板が渡してあり、明らかに線路を跨いで人が行き来できるようになっている。犬走りは抜け道なんだろう。
この看板はそれをしないように設置してあるのだが、逆に「ここ、渡れるよ」って教えているようなものだ。向こうにも看板の背中が見えている。



209系(太海—安房鴨川)

犬走りは奥まで続くが、カーブの手前からは柵が設けられている。



209系(太海—安房鴨川)

千葉10時ジャスト発のこの列車は2時間47分かけて安房鴨川に来る。外房線だと千葉10:09→安房鴨川12:15の列車がある。


太一号踏切(太海—安房鴨川)

これが車両入れ換え時に開かなくなる踏切。「太海一号」ではなく「太一号」なのがおもしろい。


113系・E257系500番台(安房鴨川)

太一号踏切から1・2番線を望む。奥には外房線の単線。E257は113系の50分後に出発する列車。



209系・113系(安房鴨川)

113系の出発を見送ってから車に戻った。(つづく)

(右フレーム上部から入れるアルバムに、掲載した写真をカテゴリ別にまとめています)